舌も心も満たされる。五感で楽しむ懐石割烹

グルメ

舌も心も満たされる
五感で楽しむ懐石割烹

奈良と京都の名店で修業を積んだ店主の感性豊かな懐石料理が味わえるお店です。
数寄屋造りを取り入れた趣あるしつらえの店内のカウンター席で、目の前で料理を仕上げてくれる様も味わいながら、極上のひとときが楽しめます。

    奈良 而今 なら にこん

    カウンターは全9席

    きたまちの通りに面したお店は、美しく整えられた前栽からも心づくしが感じられ、お料理にも期待が高まります。
    清潔感あふれる店内は、茶室を思わせる水屋や網代天井など、数寄屋風のしつらえ。

    カウンターの中に小さな水屋と炉があり、目の前でお茶を点ててくれます
    店の奥にはテーブル席のほか、掘りごたつの小さな和室も用意

    カウンター越しに見える広い厨房には、陶器のご飯釜をのせた“おくどさん”(=かまど)、炭焼き用のコンロが並びます。
    おだしのやわらかい香りが漂う中、一品一品、丁寧に仕上げていくご主人の手元にも見入ってしまいます。

    備長炭の火で丁寧に焼き上げる店主の清水唱二郎さん

    ご主人の清水唱二郎さんは奈良の出身。奈良の老舗料亭「菊水楼」、京都の懐石料理店「祇園にしかわ」で修業を積み、2016年、店を構えました。
    店名の「而今(にこん)」は「今この瞬間を大事にする」という意味の禅の言葉です。「ポジティブな屋号にしたかったんです」と、笑顔で答えてくださる清水さん。
    新星のように現れた本格懐石の店は、口コミで人気が広がり、お昼は何か月も先まで予約で埋まっているほどです。

    新雪の里に見立てた八寸の膳。手前右から時計まわりに、カラスミと厚焼き玉子、明石蛸の柔らか煮とクワイの素揚げ、鱈白子のおかき揚げ湯布院の粒マスタード添え、富有柿の白和え、茶ぶりナマコ、鯖寿司。12月の夜のコースから

    お料理は、月替わりのおまかせコースです。夜のコースは12,960円。
    明石から直送される魚をはじめ、旬の食材の旨味を引き出す日本料理の技にうっとり。
    さらに、一ひねりした趣向もプラスされています。
    たとえば、かぶら蒸しといえば、ふわふわの卵白と蕪(かぶら)で白身魚を包みますが、「甘鯛はウロコがおいしいので」と、パリパリの松笠焼きにして外に出してしまいます。清水さんの言う「変化球」です。
    まろやかな泡雪に包まれた蕪の風味、松笠焼きの香ばしさ。それらを邪魔しないように、ワサビは点盛りではなく餡にしてあります。

    甘鯛の松笠焼きにかぶら蒸しを添えて。パリパリに焼いたウロコの香ばしさと蕪の風味が溶け合う一品

    鴨が定番の治部煮も、奈良県産の大和榛原牛を使います。
    田楽味噌で柔らかく炊いた牛肉と大根とを合わせることで、口の中でふろふき大根の味に。
    大根も、煮崩れしにくい品種の「あじまるみ大根」を選んでいます。

    炊き合わせは美しく盛りつけた後、いただく直前に温かいおだしを注いでくれます。大和榛原牛の治部煮、あじまるみ大根、結崎めぶかに柚子を添えて

    ご飯は、おくどさんの釜で香ばしく炊き上げます。お酒は奈良の地酒はもちろん、各地から取り寄せたおすすめのもの。
    「これまで、うまみの強いお酒には料理が負けると思っていましたが、そんなことはないなと、この頃思うようになりました」と清水さん。

    厨房にみなぎる緊張感、お料理を口にしたときの心和む瞬間、それにカウンター越しの何気ない会話。この緩急の間合いもまた、心地よいものです。
    コースの締めは、店主自ら点ててくれるお抹茶で。最後まで心づくしで満たされます。
    奈良で過ごす夜が楽しみになる、とっておきのお店です。

    街の中に現れる風雅な空間。外観も懐石料理店の佇まいにあふれています

    奈良 而今(なら にこん)

    住所
    奈良市鍋屋町3
    電話
    0742-31-4276
    営業時間
    昼(金・土・日曜のみ営業)12:00~15:00(最終入店13:00)、夜18:00~22:30(最終入店20:30)
    定休日
    日・月曜、祝日、各月の最終日 ※年末年始の休みは12月26日~31日
    web
    http://naranikon.com/

    ※価格は全て税込みです
    ※最新情報は各所へお問い合わせください

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