現代のミルク鍋のルーツ!飛鳥時代から愛される飛鳥鍋は二度おいしい

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現代のミルク鍋のルーツ!
飛鳥時代から愛される飛鳥鍋は二度おいしい

古代から続く神石信仰で知られる飛鳥坐(あすかにいます)神社。その門前に構える「ひもろぎ」は、築150年の町家を利用した趣きある建物で、名物「飛鳥鍋」が味わえるお店です。

店名の「ひもろぎ」は漢字で「神籬」と書き、社殿や神棚がない場所で祭祀を行う際に、臨時に神様を迎えるための依り代(よりしろ)となるもの。「神様が宿る場所で、お客様に幸せになってほしい」という思いを込めて名付けられました。

    ひもろぎ

    もとは明治時代に綿業、後に呉服商を営んでいたという歴史ある建物。「飛鳥鍋」の看板が掲げられています

    そんな特別な場所でいただけるのは、古代から明日香村で食べ継がれている「飛鳥鍋」。
    飛鳥時代に唐から来た僧侶が、ヤギのミルクで鶏肉を煮て食べたのが始まりといわれ、現代のミルク鍋のルーツともいわれるお鍋です。

    飛鳥鍋というと、牛乳で鶏肉や野菜を煮ていただくのが一般的に知られていますが、「ひもろぎ」の飛鳥鍋は少し違います。まずは割り下ですき焼き風にしていただき、半分ほど食べたところで、牛乳を入れて飛鳥鍋としていただく“二度おいしい”食べ方で堪能できるんです。

    「飛鳥鍋御膳」2,000円。鍋のほか、うどん、温泉卵、奈良県産のごはん、自家製の香の物が付きます

    飛鳥鍋御膳には、鍋の前にお煮しめも付きます。

    冬期のお煮しめはカブラ、里芋、金時ニンジンの葛あんかけ。丁寧に下処理した根菜を、カツオと昆布のダシでとろ火で煮込んだ優しい味わい

    こちらの飛鳥鍋は、一人鍋スタイル。明日香村の郷土料理を気軽に味わえると、観光客にとても喜ばれています。

    まずは、枕崎のカツオと利尻の昆布で丁寧にとったダシ汁に、醤油やみりん、砂糖などを加えた割り下で、地鶏と明日香村産の旬の野菜を煮て、すき焼き風にしていただきます。
    臭みが一切ない地鶏は、弾力があるのにやわらかくてジューシー。皮を取ってお酒で湯がいた後、水でさらすことで油分を取り除いているそう。
    じんわりと甘い割り下が、新鮮な野菜と地鶏にぎゅっと染み込んでいきます。

    頃合いを見てうどんを投入

    そして、半分ほど食べたところで、牛乳を入れます。

    牛乳を入れると、味がガラッと変わりました!
    濃厚な牛乳が割り下と相まって、コクと深みがプラス。マイルドでクリーミーな味わいになります。野菜の甘みも加わり、牛乳の臭みもまったくありません。
    添えられたおろしショウガを入れると、風味はさらに変わり、旨みの詰まったスープを飲み干す頃には、体がポカポカとあたたまりますよ。
    ここまで味が変わるなんて、ちょっとビックリ。まさに、二度も三度もおいしいお鍋です。

    ボリューム満点でお客の皆さんが満足して帰られるという、飛鳥鍋御膳。
    栄養価が高い牛乳鍋ながら、ヘルシーなのも女性には嬉しいポイントです。
    飛鳥鍋は、9月~4月限定。古代から愛されてきた郷土料理を、寒い時期に味わいに来てください。

    坪庭が望めるフローリングの席や、畳敷の和室に設けられたテーブル席があります

    ひもろぎ

    住所
    高市郡明日香村飛鳥614
    電話
    0744-54-2646
    営業時間
    11:30~14:30LO
    定休日
    水曜、第3火曜

    ※価格は全て税込みです
    ※最新情報は各所へお問い合わせください

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