吉野本葛の老舗が発信する葛料理の多彩な魅力

グルメ

吉野本葛の老舗が発信する
葛料理の多彩な魅力

奈良を代表するうまいものや、おみやげが集まる東大寺門前の「夢風ひろば」。
その一画に出店している創業1615年の「黒川本家」東大寺店では、吉野本葛を使った新感覚のメニューを味わうことができます。

    黒川本家 東大寺店 くろかわほんけ とうだいじてん

    広々とした店内。休日は観光客でにぎわいます

    「葛」といえば、葛餅や葛切りなどの和菓子でおなじみ。日本料理にも使われる吉野の特産品です。
    つる性の植物で、根は漢方薬の葛根湯に、花は二日酔いの薬として使われてきました。
    吉野の葛は、山奥の土から掘り起こした葛の根を砕き、厳寒の中、きれいな水で清めていく「吉野晒し(よしのざらし)」によって生成されます。なかでも、他のでんぷんを加えない混じり気のない葛は「本葛」と呼ばれ、きめの細かさ、上品な舌触りは、世界でも最高品質のでんぷんとして認められています。

    またマメ科の植物である葛は、大豆と同様にイソフラボンを豊富に含みます。
    イソフラボンは、女性ホルモンのエスロトゲンと似たはたらきをする注目の成分。更年期の症状を改善する効果や肌のハリやうるおいを保つ効果があるといわれ、女性にピッタリの食品です。

    葛の根や葛粉が展示されています

    この吉野本葛を使って、黒川本家東大寺店では、葛餅や葛切りのほか、洋のスイーツや創作料理を提供しています。
    「季節の葛あんかけ丼」は、天ぷらのほか旬の食材を使った料理が盛りだくさんの丼です。

    季節の葛あんかけ丼1,380円。ドリンクとデザートのセットは1,780円

    そこに、葛でとろみをつけた和風だしをたっぷり注ぎます。一つひとつがそのままでもおいしい料理が、ダシの効いた上品なとろみでまとまり、豊かな味わいに。葛あんが染み込んだ白ご飯も、最後までおいしくいただけます。

    パンナコッタにもよく似たスイーツ、ブランマンジェも本葛を使って登場します。
    フランス語で「白い食べ物」を意味するブランマンジェは、通常はゼラチンやコーンスターチを使って固めますが、代わりに本葛を使用。ミルクと生クリームのコクのある甘さが、ぷるんとなめらかな舌触りで口の中へ。上にかかったベリーや抹茶のソースにも葛が使用してあり、やわらかく溶け合います。

    葛ブランマンジェ。左からラズベリー、抹茶、ブルーベリー。各680円、ドリンクとのセットで850円

    誰でも気軽に葛が味わえるようにと、奈良観光でにぎわう夢風ひろば内の東大寺店で葛のスイーツや創作料理を始めた黒川本家ですが、宇陀にある本店は、400年の歴史を持つ老舗です。江戸時代の藩主より「当代随一」と評され、昭和天皇も御葛湯を愛飲されていたといいます。
    今も創業以来ほとんど変わらない製法で作られる吉野本葛の魅力を、気軽に味わってみませんか。

    平城宮をイメージさせる朱塗りの柱が目印

    黒川本家 東大寺店(くろかわほんけ とうだいじてん)

    住所
    奈良市春日野町16 夢風ひろば内
    電話
    0742-20-0610
    営業時間
    11:00~18:00LO
    定休日
    不定休
    web
    http://www.yoshinokuzu.com/

    ※価格は全て税込みです
    ※最新情報は各所へお問い合わせください

      周辺スポット

      エリアマップ