大自然の懐に抱かれる「春日山原始林」の一軒宿

選りすぐり宿

大自然の懐に抱かれる
「春日山原始林」の一軒宿

春日大社の神域として保護され、特別天然記念物にも指定されている世界遺産の春日山原始林。
「奈良・春日奥山 月日亭」は、その貴重な自然の中で宿泊できる唯一の料亭旅館です。
せせらぎの音に耳をすませながら、緑豊かな森に包まれ、静かなひとときを過ごすことができます。

奈良公園から春日山へと分け入り遊歩道を進んでいくと、春日山原始林の深い緑に包まれます。
そばを流れる吉城川(よしきがわ)は、春日奥山に源流を持ち、東大寺の境内へと続く渓流です。やがて、宿に向かうアプローチの坂が見えてきます。

    奈良・春日奥山 月日亭 TSUKIHITEI

    風格のある玄関。吉城川沿いの遊歩道から上ったところにあります

    もとは明治36年、奈良県知事が要人をもてなすための施設として建てられたもの。
    春日山原始林が特別天然記念物に指定されるよりも前のことだったため、月日亭だけが今も宿を営んでいるのです。

    創建当時からある大広間は、会食や結婚披露宴などにも利用される30帖の座敷です。
    格天井(ごうてんじょう)や大正ガラス、長押に付けられた紅葉の形の釘隠しなど、細部の意匠にも往時の面影が見られます。

    宿泊は1日3組だけ。
    お部屋は離れにあり、風情たっぷりの渡り廊下でつながっています。
    木々の間を通り、近くの吉城川から引き込んだせせらぎの上を渡りながら進みます。各所に掛けられている釣り花入れも、季節の花で迎えてくれます。

    緋毛氈(ひもうせん)を敷き詰めた渡り廊下を通って、お部屋へと向かいます

    お部屋は畳の和室です。自然木の化粧柱を施した床の間、丸窓の書院など、風情あるしつらえ。
    しかも畳の下には床暖房が設置され、Wi-Fiも利用できるなど、さり気なく快適な設備が整えられています。

    10帖の離れ「萩」の間

    そして何と言っても素晴らしいのが、窓からの景色です。
    杉や松の大木、野生の蔓など、自然豊かな景色が広がっています。さらに秋には色鮮やかな紅葉を、初夏には苔の緑を楽しむことができます。
    お部屋は1組につき2部屋を利用し、食事と宿泊とに使い分けています。

    お風呂は内風呂も利用できますが、趣向を凝らした貸切風呂も素敵です。2種類あり、どちらも浴槽は香りのよい高野槙(こうやまき)。作家によるオリジナルのステンドグラスがはめ込まれ、目でも癒されます。

    貸切風呂「若草」。若葉をイメージしたタイル張りの壁、月と日と雲を表現した鏡、「なら燈花会」をモチーフにしたステンドグラスなど、凝った趣向で楽しませてくれます。床は吉野のヒノキに「なぐり加工」で凹凸を付けています
    森の中に遊ぶ鹿を描いたステンドグラスが美しい貸切風呂「奥山」。浴槽、椅子、桶には高野槙(こうやまき)を使い、天井、壁、床にはヒバを用いて漆塗りを施しています

    朝食では、だし巻き卵や焼き魚などのお料理とともに、奈良名物の茶粥を味わうことができます。
    奈良県産コシヒカリを吉野のほうじ茶で炊いた茶粥は、さらさらとして香ばしく、やさしい風味。
    1日の始まりを心地よく迎えることができそうです(茶粥の代わりに白ご飯を選ぶこともできます)。

    朝食に付く茶粥。土鍋で供され、熱々をいただきます

    宿のある場所は若草山にも近く、山焼きのときには、その勇壮なさまを間近で見るのに歩いて行けると、例年人気だそうです。
    また月日亭の名前は、「月日の磐(いわ)」に由来します。吉城川のせせらぎの中に「日月」の形を彫った磐石があり、奈良時代、上流でできた氷をこの付近の氷室に蓄え、夏になると朝廷に献上していたそうです。

    歴史ある土地にあり、自然に包まれるこの宿で、ゆっくり心をほぐしてみませんか。

    「萩」の間にて。春日奥山の自然に抱かれてくつろぐひととき

    奈良・春日奥山 月日亭(つきひてい)

    住所
    奈良市春日野町158
    電話
    0742-26-2021
    チェックイン
    16:00/チェックアウト10:00
    料金
    1泊2食付き29,160円~
    web
    http://www.nara-ryoutei.com/tsukihitei/

    ※価格は全て税込みです
    ※最新情報は各所へお問い合わせください

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