気鋭のイタリアンシェフが自信を持って教える。何度でも訪ねたくなる、ならまちの味わい

モデルコース(テーマ)

気鋭のイタリアンシェフが自信を持って教える
何度でも訪ねたくなる、ならまちの味わい

西岡 正人さん

西岡 正人さん

「トラットリア ラ クロチェッタ」「リストランテ リンコントロ」オーナーシェフ
奈良県出身。学生時代に経験した飲食店の仕事に魅了され、料理人に。大阪の土佐堀、東京の西麻布・自由が丘のイタリアンレストランで修業後、27歳の時に奈良に「トラットリア ラ クロチェッタ」を立ち上げる。6年後、ならまちに「リストランテ リンコントロ」を開業。現在は2店舗のオーナーシェフとして腕を奮う。

    01

    ならまちの新進気鋭の割烹で
    彩り豊かな昼膳を
    割烹 まつ㐂(かっぽう まつき)

    まずご案内するのは、2017年3月にオープンした割烹です。素晴らしい日本料理の技術に、ジャンルの違う僕も刺激を受けています。ご夫婦だけで運営されていることもあり、メニューはコース料理が中心。奈良の素材を使い、魚は産地から直接取り寄せています。日本料理の命ともいえるダシは、昆布を2日間かけて水出ししながら必要な分だけ作っているそう。雑味のないクリアな味から、最高の状態を目指すご主人・松室克哉さんの真剣さが伝わってきます。例えば3時間じっくり焼く厚焼き卵は、ブランデーケーキのような濃厚な味わい。その一品一品丁寧な仕事ぶりに、きっと驚かされると思いますよ。器や盛り付けも素敵ですし、ならまちに来たらぜひ訪ねてほしいお店です。古都奈良で味わう日本料理は格別だと思います。

    • ご主人の松室さんと。ジャンルは違ってもお互いに刺激を受け、話題が尽きることはありません

    • 美しい八寸の皿。人気の厚焼き卵のほか低温調理したイイダコ、一寸豆、自家製スモークサーモンの蕪巻き、若ごぼうと豆苗の胡麻クリーム和えなど。小鉢の蓋に描かれた百人一首、かつらむき大根で作ったぼんぼりが、趣を添えます。お昼のコース5,500円から

    • 古い民家の趣をそのまま残した2階の部屋。テーブルは杉板で造作されています

    • 本日の椀物はホタテの真薯(しんじょ)、吉野葛を使った卵葛豆腐(たまごくずどうふ)。コゴミをのせ、花びらに見立てたニンジンと大根をそっと散らし、春の装いに

    • 築100年の町家を改装したお店。小さな間口の奥に店内が広がります

    • 清潔感あふれる吉野杉のカウンター席。松室さんのきびきびとした仕事ぶりが見えるのも楽しみの一つなんです

    詳細情報

    割烹 まつ㐂(かっぽう まつき)
     
    住所
    奈良市東城戸町16-1
    電話
    0742-93-6222
    営業時間
    11:30~14:30(LO12:30)、17:30~22:00(LO19:30) ※ 前日までに要予約(予約受付10:00~22:00)
    定休日
    日曜、第3月曜、第1・2・4月曜と第3火曜のランチ
    アクセス
    近鉄奈良駅から徒歩約10分
    WEB
    http://kappou-matsuki.com/
    02

    シンプルさの中に
    上質なこだわりを秘めたケーキ
    をかし東城(をかしとうじょう)

    奈良県産のフルーツを使ったケーキが評判の洋菓子店。優しいやわらかい味で、ご主人・東城さんの人柄がにじみ出ているのか、食べるとホッとするケーキです。たとえばイチゴのショートケーキなら、上質のクリームを使っていてコクがあり、スポンジもハチミツが入ってしっとり。スポンジの間に挟むイチゴは肉感にこだわって、奈良の「おいCベリー」と決めているとか。またチーズケーキには、ならまちの酒蔵「春鹿」の酒粕が入っています。酒粕の芳醇な香りとチーズの香りがいい感じで混ざって、他にはない味ですよ。大好きなケーキ屋さんなので、家族やスタッフの誕生日にはバースデーケーキを作ってもらい、皆にも喜んでもらっています。

    • 東城さん曰く、店名に古風な雰囲気を出したいから、「をかし」という店名にしたそうです

    • 「イチゴのケーキは東城さんのしか食べない」というほどお気に入りのショートケーキ390円。奥は「春鹿」の酒粕が入ったチーズケーキ450円

    • ご主人の東城 理さんと。手みやげにケーキを買うことが多いのですが、今日はイートスペースでゆっくりと

    • ショーケースにケーキが1番並ぶのは正午過ぎ

    • ならまちの町並みにしっくりと合う店構え

    詳細情報

    をかし東城(をかしとうじょう)
     
    住所
    奈良市中院町20
    電話
    0742-26-5567
    営業時間
    10:00~20:00(売り切れ次第閉店)
    定休日
    水曜
    アクセス
    近鉄奈良駅から徒歩約13分
    03

    国宝の本堂で朝の勤行も体験できる、ならまちの古刹 十輪院(じゅうりんいん)

    小さな境内ながら、奈良時代創建と伝わる歴史の深いお寺です。ご本尊は「石仏龕(せきぶつがん)」という珍しい仏さまで、鎌倉時代には地蔵信仰の霊場として栄えたそうです。母方の檀家寺なので、子どもの頃はこんなに歴史あるお寺ということも知らず、ずっと親しんできました。今は大好きだったおばあちゃんが眠っており、毎月家族と一緒にお参りに来させてもらっています。雰囲気が素敵なお寺なので、来るだけで楽しいんですよ。拝観はもちろん、朝の勤行も誰でも参加できます。月に1回、勤行の後に住職を囲みながら皆で野菜カレーを食べる「朝カレーをいただく会」もあるので、ぜひ子どもたちと一緒に参加したいと思っています。

    • 自分の店から歩いてすぐなので、気軽にお詣り。南門(重要文化財)は小さいながらも風格のある鎌倉時代のものです

    • この日は、本堂で副住職と一緒に般若心経を唱えさせていただきました

    • 副住職の橋本昌大さん。お互いの子どもの年齢も近く、話も弾みます。僕がならまちに店を出してから、よく来てくださるんです

    • とても珍しい石仏龕(せきぶつがん)(重要文化財)。平安時代後期に石地蔵が造られ、その周りに花崗岩で龕(がん)が整えられていったそう。お地蔵様の左に彫られているのが釈迦如来、右が弥勒菩薩

    • 「朝カレーをいただく会」は毎月第1日曜(1、8月は休み)。8時半からの勤行に参加した後、お寺が栽培する畑で採れた野菜たっぷりのカレーを食べます。皆で打ち解けあいながら、住職とざっくばらんに話ができるひとときです。入会金1,000円、当日実費300円

    • 凛とした雰囲気の境内。正面の本堂(国宝)はもともと石仏龕を拝むための礼堂(らいどう)として建てられたもので、鎌倉時代の住宅建築の名残があるといいます

    詳細情報

    十輪院(じゅうりんいん)
     
    住所
    奈良市十輪院町27
    電話
    0742-26-6635
    拝観時間
    9:00~16:30
    拝観料
    500円(境内自由)
    閉門日
    月曜(祝日の場合は翌日)
    アクセス
    近鉄奈良駅から徒歩約15分
    WEB
    http://www.jurin-in.com/
    04

    大粒イチゴの食感を丸ごと楽しむ、
    白あん入り「いちご大福」
    なら町 末廣堂(ならまち すえひろどう)

    世界遺産の元興寺(がんごうじ)のすぐ近くにあり、明治35年創業の老舗の和菓子店です。ここの「いちご大福」は、近くに住んでいたおばあちゃんの家に行くときにいつも手みやげに買っていた思い出の味で、今もよく食べます。大ぶりのイチゴは新鮮で噛み応えもあって、柔らかい餅皮、白あんとの相性がピッタリ。イチゴは毎朝取り寄せ、白あんは、手亡豆のほか数種類をブレンドして炊き上げているそうです。僕は白あんが苦手なのですが、この大福に入っている白あんはおいしく食べられます。いちご大福はイチゴの季節だけのものですが、夏以外は販売しているという豆大福も、控えめな甘さで大好きです。

    • まさにイチゴが主役!酸味の効いた大粒のイチゴと白あん、羽二重や吉野葛の入った柔らかい餅皮とのコンビネーションが絶妙です。1個194円。※毎年販売は4月2週目頃まで

    • 昔ながらの雰囲気で、地元の人たちに愛され続けている和菓子店です

    • 柔らかい大福の生地に、赤エンドウ豆の歯ごたえも残る豆大福。1個162円。日持ちのするおみやげがほしいときには吉野葛餅453円もおすすめ

    • 看板に老舗の風格がにじみ出ています。おやつに手みやげに、いつだって自転車でひとっ走りです(笑)

    詳細情報

    なら町 末廣堂(ならまち すえひろどう)
     
    住所
    奈良市鵲町24
    電話
    0742-22-2179
    営業時間
    8:30~18:00
    定休日
    日曜・祝日
    アクセス
    近鉄奈良駅から徒歩約13分
    WEB
    http://www.naramachi-suehirodo.jp/
    05

    食材が結んでくれたご縁に感謝。
    自家製にこだわるイタリアン
    リストランテ リンコントロ

    僕が経営するイタリアレストランの2号店です。2012年に念願のならまちにオープンして6年になります。食材にこだわり、畑を手伝ったりするうちに、信頼できる生産者さんの仕入れ先も奈良を中心に増えました。狩猟時期にはジビエもよく提供しており、鴨は鹿児島の友人の猟師さんから送ってもらうほか自分でも時々猟に出ているので、僕が仕留めた鴨を味わっていただけるかもしれません。羊や豚は一頭買いし、部位ごとに加工して仕込み、自家製の生ハムやサラミなども手間暇をかけて作っています。パンやパスタももちろん自家製。季節の食材の魅力を味わい尽くしてもらえるよう、プレートの上に表現していきますから、どうぞワインとともにゆっくり楽しんでください。

    • 築100年の古民家を改装した建物。店名のリンコントロとは、イタリア語で「出会い」「巡り合わせ」という意味。縁あって尊敬するシェフから譲っていただき、名付けました

    • 店内は和と洋が混ざり合い、落ち着いた雰囲気。奥には坪庭が見えます

    • 食材を生かし、お客様に驚きと感動を与えられるよう真摯に向き合っています

    • 夜のコース8,640円の中から前菜のプレート。愛媛から直送された黒鯛は、皮目だけをこんがりソテーしてからローストに。牡蠣は自家製のスモーク。奈良県産キャベツのピューレが春の色と香りを添えます。ほろ苦いコゴミやフキノトウのフリットには、アンチョビパウダーをアクセントに

    • メイン料理の青首鴨のロースト。絶妙な火の通り具合で適度な噛み応え。鴨の骨からとったスープをベースに仕立てたソースが、鴨の独特な風味を引き立てます。付け合わせの野菜もソテーした鴨の油をまとって香り豊か。ポルチーニ茸などを合わせたジャガイモのピューレとともに、香りと食感が響き合います

    • 妻はサービスを担当。店に立ってくれることで安心感があります。感謝ですね。

    詳細情報

    リストランテ リンコントロ
     
    住所
    奈良市薬師堂町9
    電話
    0742-26-8959
    営業時間
    11:30~14:30、18:00~22:00
    定休日
    水曜
    アクセス
    近鉄奈良駅から徒歩約15分
    WEB
    http://crocetta.nara.jp/lincontro/

    ※最新情報は各所へお問い合わせください

    訪れるたびにほんわかした気分になれる。
    奈良には、そんな素敵なお店が増えてきました。
    さまざまなジャンルの料理を味わって
    おいしい発見をしてみてください。

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