TABI Coffee Roaster たび こーひー ろーすたー

昭和レトロなたたずまいのアーケードに足を踏み入れると、鶏肉専門店や大判焼き屋、総菜屋、居酒屋、中華料理店など、庶民的なお店が軒を連ねています。
奥に行くほど、ほの暗くなり、「この先に何があるんだろう？」とちょっとした探検気分に。
そんなアーケードのほぼ中間に、コーヒー専門店「TABI Coffee Roaster」はあります。

オープンは2017年7月。ガラスの引き戸に、カウンターだけのシンプルな店構え。お店の2階の窓から光が差し込んでいて、アーケードの中でも、ぱっと明るい存在感を放っています。

「TABI Coffee Roaster」はスタンドスタイルのコーヒー店です。
基本はテイクアウトですが、お店の前に置かれた小さな椅子に腰かけていただくのも◎。
黒板に手書きされているコーヒーのメニューの中から、好みの豆を選んで淹れてもらえます。
ルワンダ産「スカイヒル」、キューバ産「クリスタルマウンテン」、インドネシア産「マンデリン」、ケニア産「レッドマウンテン」…など。アフリカや南米などの銘柄を約10種類取り揃えています。
コーヒーにピッタリな、奥様手作りのビスコッティやクッキーが並ぶ日も。

淹れ方はもちろん、コーヒーのおいしさを決めるのが焙煎。
田引さんは焙煎の準備段階から手間暇をかけます。
薄いグリーンの生豆を広げて、ハンドピック（状態のよくない豆を選別して取り除くこと）をしてから焙煎機に。1分ごとに温度を測り、温度変化を調節しながら機械で炒っていきます。
焙煎機が熱を持ち過ぎないようにと、店内には焙煎機用の扇風機も。「TABI Coffee Roaster」では、中炒りから深炒り程度のローストに仕上げます。

砂糖とミルクも用意されていますが、「最初の一口、二口はそのままで味わってみて」と田引さん。
シングルオリジンでその豆本来の個性をダイレクトに味わうもよし、コーヒー豆を熟知した店主オリジナルのTABIブレンドを楽しむもよし。
「椿井市場のレトロな雰囲気」と「カジュアルに楽しむスペシャリティコーヒー」という組み合わせの妙をぜひ味わってみてください。