まるで一幅の絵のよう!老松を愛でながら味わう飛鳥鍋

グルメ

まるで一幅の絵のよう!
老松を愛でながら味わう飛鳥鍋

松籟(しょうらい)は、閑静な“きたまち”の中に建つ一軒家のお店です。
玄関を入り2階へと案内されると、昔の建具やガラス窓、さり気なく置かれた骨董家具などに囲まれ、ほっとする雰囲気。

    松籟 ~まつのおと~ しょうらい

    2階の座敷。格子の建具が風情を醸します。「奈良らしい質感にこだわった」という店主のセンスと遊び心がそこかしこに

    店主の松本剛さんは、学生時代に建築を学び、インテリアや大工の仕事、カフェなどを経験し、大阪で料理店を経営していました。
    2014年に奈良を訪れた際、『古事記』の展覧会をたまたま見て、その歴史の奥深さに感動し、「奈良で店を開きたい」と考えるようになったそうです。
    物件を探し始めて最初に出会ったのが、元は商家だった築80年の古民家。樹齢300年もの立派な松が中庭にそびえ立つ、この一軒家でした。

    2階の座敷の奥、すだれを上げた向こうに見えるのが中庭の松の木。松本さんはこの松を見て、ここで自分の店をやっていくことに決めたそうです。「名字が松本だけに、松との出会いに縁を感じました(笑)」

    松本さんはこの一軒家を、これまで得た建築の知識や大工の経験を生かして、自らリノベーション。大人がゆったりとくつろげる和モダンな空間にし、松籟をオープンさせました。
    部屋は座敷のほかに個室が複数あり、1階にはバーもあります。

    1階のバーに立つ松本さん。「春鹿」や「風の森」といった奈良の銘酒をはじめ、ビールやワイン、ウイスキーなどアルコール類も充実。バーカウンターはメープルの1枚板で、松本さんの手作り

    豊富に揃う鍋物メニューの中でも、奈良らしいのが郷土料理の飛鳥鍋。
    鴨や鶏つみれのほか、アワビタケやヒラタケなど季節のキノコがたっぷり入ったボリューム満点のお鍋です。

    「古都 飛鳥鍋」1人前1,944円(2人前から注文可。前日までの要予約)。スープは鶏ガラのダシと牛乳をベースに、「春鹿」大吟醸の酒粕と白味噌をプラス。まろやかでコクの味に仕立てています

    おいしい香りに包まれながら炊くうちに、あんなにたくさんと思っていた具材もいつの間にかお腹におさまってしまいます。
    ぜひシメには、追加で酒粕リゾットを。

    酒粕リゾットは1人前216円。3種類の古代米を使い、チーズとバターがたっぷり入った濃厚な味わい。乳を加工してできる、最もおいしいものの代名詞とされる“醍醐(だいご)”をイメージしているそう

    「お客さんの希望に応えるうちに料理のメニューが増えていきました(笑)」と松本さん。人気メニューの玉子サンドもその一つだそうです。
    奈良県産の卵を使った分厚い玉子焼きを、軽くトーストした薄切りパンでチーズと白味噌と一緒にサンド。しっかりとした味付けで、ワインや冷酒と一緒にいただきたくなるおいしさです。

    奈良漬を刻んで入れた金山寺味噌が上にのり、お酒にも合う「松籟 玉子サンド」918円。柿酢で作った付け合わせのピクルスが口直しにぴったり

    店名の松籟(しょうらい)とは、松の葉が風に揺れる音のこと。
    町中とは思えない静けさの中で、「自然が奏でるかすかな音を感じてほしい」と松本さん。
    日が暮れると、中庭の松の木はライトアップされ、夜空に松の緑が美しく輝きます。

    ライトアップされた松は、下から見上げると迫力満点。松本さん自身が剪定し、伸びていた枝も次第に美しく整えていったそう

    見事な枝ぶりの老松を愛でながら、心尽くしの料理とお酒を楽しむ。そんな風流な一夜を過ごしませんか。

    静かな町並みの中、灯りがともるさまにも風情があります

    松籟(しょうらい)~まつのおと~

    住所
    奈良市北袋町18-1
    電話
    0742-81-4949
    営業時間
    17:00~23:00、1階喫茶13:00~17:00(土日祝のみ)
    定休日
    不定休
    web
    https://www.facebook.com/matsunooto/

    ※価格は全て税込みです
    ※最新情報は各所へお問い合わせください

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