雲亭 くもてい

エントランスのアーチをくぐると、視界が一気に開け、目の前には空と雲、眼下には生駒と奈良市内の風景が広がります。180度見渡せる、絶好のロケーションです！

晴れた日はテラス席でいただくのがおすすめ。標高が高いので吹き抜ける風がとても気持ちいいんです。
店内も雰囲気がよく、居心地のいい空間。アンティーク家具を配し、和と洋が混じる大正ロマンをイメージしています。

店主の濱本さんは、別荘として使われていた古民家の雰囲気とこの場所が気に入り、2014年に移住。
もともとお店をするつもりはなかったそうですが、大阪でカレー店を営んでいたこともあり、この素敵な場所で何かお店をやりたいという思いが生まれたそう。

ピザ屋をすることに決めたのは、以前に南フランスのマルセイユに旅行した際、滞在中1週間ほどピザ屋で働いていたことを思い出したから。
しかし実際にピザ作りを始めると、とても難しかったそう。

「ピザは発酵と火加減と窯の状態が大切なんです」と店主。どれが欠けてもおいしくできないそうで、「いまだに毎回緊張感があります」。

ピザを焼く石窯は、なんと店主の手作り！生駒の山で採れる土を粘土状に固め、石などを積んで仕上げました。
ただ、市販の石窯とは違い、窯の火の回り方や熱の貯え方、焼く時の加減などが難しく、毎年「壊しては作って」を繰り返しているそう。
「今年は4年目なんですけど、ようやく納得のいく窯ができたので壊さなくていいかな」と頬がゆるみます。

いただけるピザは全10種類。1番人気は店名を冠した「雲亭オリジナルピザ」です。

彩りのきれいな奈良近郊の野菜をたっぷりのせ、ベーコンをマスタードシードとクミンシードとで炒めた、オリエンタルな味付けのピザです。
生地はイタリア産の小麦粉に国産の米粉を混ぜることでモチッとした食感に。
ピザは単品のほか、好みのピザに、前菜盛り合わせ、季節の大和野菜サラダ、ドリンクが付くPIZZA LUNCHもあります（2,200円～）。

雲を近くに感じ、晴れた日は青空のもとピザが楽しめますが、雨の日は眼下に雲海が広がる日もあるそう。「雨の日のここからの風景がすごく好きで。それで『雲亭』と名付けました」と店主。

雨の日も晴れの日も、ここで過ごす特別なひとときを楽しむため、今日も山の上まで足を運ぶお客さんが訪れています。