コンフィチュール こんふぃちゅーる

もとは建築士だった東さん。15年ほど前、友人が開いたカフェの建築士として関わっていたとき、スタッフが足りず週1回カフェのお手伝いをすることに。
ある日、看板メニューのフレンチトーストにかけるジャムソースがなく、東さんが即興で作ってみたところ、おいしいと評判に。「その時、生まれて初めてジャムを作ったんです(笑)」というから驚きです。
お客さんからのリクエストで商品化することになり、本格的にコンフィチュール作りの道へと進みました。
2006年、コンフィチュールという言葉が浸透していなかった当時に名付けたブランド名が『コンフィチュール フミ』です。

「コンフィチュール」とは、フランス語で「ジャム」のこと。
「ジャムは英語、コンフィチュールはフランス語で『砂糖煮』という意味です。私自身、昔ながらのこってりとした甘いジャムが苦手で、糖度の低いサラッとしたジャムを作っていたんです。『従来のジャムとは違う』という意味で、『コンフィチュール フミ』と名付けました」。

祖父が暮らしていた実家の離れを改装して工房にし、一年を通して100種類ほどのコンフィチュールを作ります。
奈良県内の農家が大切に育てた野菜や果実を直接仕入れるほか、実家の畑で栽培するタマネギやユズ、イチジクなどを使用し、鮮度が落ちる前に仕込んでいきます。
なかでも人気の「青トマト」は、変色するのが早いため、農家の方が収穫後すぐに持ってきてくれると、その日は寝ずに20時間以内にすべて炊いてしまうとか。

素材本来の味を生かすため、加えるのは砂糖のみ。それも、素材それぞれの個性を引き出すため、数十種類ある砂糖の中から選んで配合するこだわりようです。
煮詰めると糖度が高く、濃くなってしまうので、火入れは短く。一度にたくさんの量を作るのではなく、少量を小鍋で作り、それを何度も繰り返して作り上げます。

そうやってできたコンフィチュールは、果肉がたっぷりで、みずみずしくてジューシー。素材本来の味わいが感じられるから、食べ飽きないおいしさです。
工房兼カフェ「ナラヤマソウ」では、コンフィチュールを使った料理やスイーツも楽しめます。料理は、奈良市に店を構えるイタリアン「トラットリア・ピアノ」のシェフがプロデュースする本格派。知らなかったコンフィチュールの魅力を実感することができます。

カフェタイムは、東さんが考案した、ミルクのコンフィチュールを生地に練りこんだパンケーキが人気です。

パンに塗るだけでなく、ヨーグルトやアイスクリームにかけたり、レモンのコンフィチュールはソーダを入れてレモネードにしたり、サラダにドレッシングとして使用したりと、幅広く使用できるコンフィチュール。
見た目も可愛い、奈良の恵みを閉じ込めた旬の味わいを、ぜひ持ち帰ってください。

コンフィチュールは、「ナラヤマソウ」のほか、東さんがプロデュースする馬見丘陵公園(河合町)にある「Café+f(カフェプリュス・エフ)」、奈良市の「トラットリア・ピアノ」などでも販売しています。
コンフィチュール フミ
- 住所
- 吉野郡吉野町柳881
- 電話
- 0746-35-7003
- 営業時間
- 11:00~16:30LO
- 定休日
- 不定休
- web
- http://narayamasou.syncronicity.co.jp/
※価格は全て税込みです
※最新情報は各所へお問い合わせください