明日香村の名家が営む民宿で温かいもてなしにほっこり

選りすぐり宿

明日香村の名家が営む民宿で
温かいもてなしにほっこり

明日香村にある宿の半数は、民家を利用した民宿です。
その特徴は、明日香村で暮らしてきた“おかあさん”たちによる、温かいもてなし。
現在村内には、「民宿 脇本利夫」をはじめ、7軒の民宿があります。

    民宿 脇本利夫 MINSHUKU WAKIMOTOTOSHIO

    立派なお屋敷の「民宿 脇本利夫」。右奥が母屋、左が離れの宿泊棟です

    明日香村に民宿が誕生したのは、1972(昭和47)年。その年、高松塚古墳の彩色壁画が発見され、一大ニュースになりました。考古学史上まれにみる大発見により、静かな村には連日、全国から大勢の人が押し寄せました。
    明日香村役場は一般のお宅に民宿の開業を依頼し、20軒ほどの民宿が誕生。その一つが「民宿 脇本利夫」です。
    脇本家は、明治時代まで代々、天武・持統天皇陵の御陵番をしていた由緒ある家柄です。

    部屋からは、天武天皇とその皇后で後に皇位を継承した持統天皇の夫婦の陵墓「天武・持統天皇陵」が見えます

    築300年以上という母屋には、御陵番の際に使っていた弓張提灯をはじめ、火縄銃、袖がらみ(江戸時代に使われていた捕物道具)など、歴史ファンならずとも魅了される江戸時代のお宝がいっぱい。

    「山陵御用」と書かれたものや、年代物の家紋入りの提灯箱が並びます。山陵とは天皇や皇后の墓のこと
    御陵番の時に使用していた江戸時代の弓張提灯。傷みがあり現在は使用できませんが、希望すれば見せてもらえます

    客室は離れにあります。2つある離れにはそれぞれ6畳と10畳の和室が数室あり、トイレとお風呂も各離れに備わっています。

    1997(平成9)年に建て替えられた離れの客室。扁額の書には「和を以て貴しと為す」の文字が。近くにある橘寺ゆかりの聖徳太子の言葉です

    食事は、母屋でいただきます。
    夕食は、焼魚や天ぷら、煮物、酢の物などが付く家庭料理、もしくは明日香村の名物である飛鳥鍋から選べます。

    朝・夕食ともに母屋の居間で食事をとります

    飛鳥鍋は、飛鳥時代に唐から来た僧侶が、寒さをしのぐためにヤギの乳で鍋料理を作ったのがはじまりといわれる郷土料理。
    各家庭によって味付けが違いますが、こちらでは、醤油ベースの鶏がらスープにお酒とみりんを入れたダシに牛乳を足し、地元で採れた野菜と大和地鶏、麩、お餅、コンニャク、お豆腐と盛りだくさんの具材を入れて煮ます。

    ボリュームたっぷりの飛鳥鍋。写真は3人前

    野菜や鶏肉の旨みが牛乳のダシに染み出て、まろやかで食べやすい味です。途中で生卵をつけて味わうのもおすすめ。あっさりとしたすき焼きのようで、さらにマイルドになります。

    大和地鶏は牛乳で煮込まれることでやわらかくなります。卵につけてもおいしい!

    温かいもてなしに心が和む民宿は、懐かしい雰囲気に包まれた明日香村にピッタリ。
    ガイドブックに載っていないような地元情報を教えてもらったり、明日香に伝わる家庭料理を味わったり。この地で暮らす人々と過ごすことで、明日香村をより深く感じられ、思い出に残る一泊になりますよ。

    「いろんな人と出会えるから楽しい」と女将の脇本啓子さん。上品で温かな人柄に惹かれ、毎年訪れる人も。気兼ねなく安心して泊まることができます

    民宿 脇本利夫(みんしゅく わきもととしお)

    住所
    高市郡明日香村野口328
    電話
    0744-54-3240(飛鳥観光協会)
    ※予約の際は「民宿 脇本利夫」を指定
    チェックイン
    16:00/チェックアウト9:00
    料金
    1泊2食付き6,480円~

    ※価格は全て税込みです
    ※最新情報は各所へお問い合わせください

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