宮滝しょうゆ みやたきしょうゆ

梅谷醸造元は、明治時代半ばに宮滝の地で創業しました。
現在は、4代目店主の梅谷清二さんと兄の清嗣さんを中心に、醤油と味噌造りを行っています。

こちらの醤油造りは、創業当時からほとんど変わりません。風土や自然を生かし、春夏秋冬の気温にまかせて熟成させる天然醸造です。
厳選した大豆と小麦、麹室(こうじむろ)で育てた醤油麹を塩水とともに、100年以上使い続ける吉野杉の木桶に仕込みます。寒い冬に仕込みを始め、発酵のピークを迎える夏になると3日に1度の間隔でかき混ぜて攪拌(かくはん)させ諸味(もろみ)を造っていきます。
そして、1~2年かけてじっくりと熟成させることで、色、香り、味に深みが増し、おいしい醤油になります。

味の要になるのは、“蔵つき酵母”と呼ばれる菌。100年以上使われてきた木桶はもちろん、蔵の梁や天井、空気中に棲みついているこの菌が発酵を助け、こちらの蔵ならではの醤油に仕上がっていくのです。
「何十年分もの菌が染み込んでくれています。それが味になり、風味になる。うちの宝です」と清二さん。

量産が主流の時代にあって、じっくりと時間をかけて造るのはかなりの手間暇がかかりますが、「その分、味が違う」と清二さんは胸を張ります。
「麹菌のペースで発酵するのが、おいしい醤油にたどりつく一番の近道なんです」。

看板商品の「宮滝しょうゆ」の濃口、淡口、再仕込み、特選丸大豆、ぽん酢などのほか、梅谷醸造元ならではの醤油「鮎のみつき」と「あまごのおおみけ」もおすすめです。
川魚で造る魚醤は全国的にも珍しいですが、「醤油造りの伝統技術を生かして、吉野に根付いたものを造りたい」という思いから、吉野川の鮎とアマゴを使って魚醤を生み出しました。
鮎とアマゴそれぞれを丸ごと使い、約1年かけて発酵・熟成させます。自家製の米麹を使うことで生臭さが消え、甘い香りの漂う琥珀色の魚醤ができ上がります。

吉野の澄んだ良水と変わらぬ製法で時間をかけて愛情たっぷりに醸す宮滝しょうゆ。
「懐かしい」「ここの醤油でないと」と、わざわざ遠方から足を運ぶファンが多いのも納得できる、深い味わいの醤油です。
事前に予約すれば蔵の見学ができるので、製法の様子を実際に見聞きし、みやげ話として一緒に持ち帰ってください。

梅谷醸造元(うめたにじょうぞうもと)
- 住所
- 吉野郡吉野町宮滝262-2
- 電話
- 0746-32-3206
- 営業時間
- 8:00~19:00、土・日・祝日は9:00~19:00
- 定休日
- 水曜
- web
- https://www.umetani.jp/
※価格は全て税込みです
※最新情報は各所へお問い合わせください