江戸時代の面影を残す奈良の商都今井町初の町家民宿

選りすぐり宿

江戸時代の面影を残す奈良の商都
今井町初の町家民宿

橿原市今井町は、江戸時代の町並みが色濃く残る風情漂う町。
建造物などの歴史的価値が高く、町全体が国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
その今井町に、歴史上初めてできた宿泊施設が「嘉雲亭」です。

    嘉雲亭 KAUNTEI

    江戸時代の商家が並ぶ今井町。左手前が「嘉雲亭」

    映画のセットのような古い町並みには、約500棟の伝統的建造物があり、うち9件が国の重要文化財に指定されています。
    織田信長の時代にはすでに商工業の町として発展しており、江戸時代には「大和の金は今井に七分」(奈良のお金の7割が今井にある)と言われたほど隆盛を極めました。

    江戸幕府から特別な支配体制に置かれた今井には、司法や警察権などの自治的特権が与えられ、大名に金銀を貸す両替商もいたほど豊かな財力を持つ町民たちは、自治自衛のために町独自の掟を定めました。
    その一つが、治安を守るために外部からの侵入者を防ぐこと。親戚以外の人を町内に泊めることは禁じられていました。

    明治以降にその掟はなくなりますが、長らく今井町には宿泊施設がありませんでした。
    時が過ぎ2007年、空家になった古民家を再利用する形でできたのが、今井町初の宿「嘉雲亭」です。

    店があった「みせの間」。向かって右にある茶色の扉は呉服箪笥(たんす)

    嘉雲亭は、18世紀半ばに建てられた呉服屋の旧家を改装した町家民宿。
    当時の梁や柱、箱階段や呉服箪笥などの商い道具をそのまま残し、江戸時代の雰囲気を今に伝えています。

    江戸時代の箱階段。展示品ではなく今も階段として使用されています

    宿泊は1日2組まで、定員8名です。
    客室は2階にあり、8畳、8畳と4.5畳の続き間の2部屋あります。

    床の間を備えた8畳の客室。うすく裂いた竹を編んだ網代(あじろ)天井も趣きがあります
    2階の客室の虫籠窓(むしこまど)から見える町並みも風情たっぷり

    かつて外来者が宿泊できなかった時代、どうしても今井で宿泊する必要があったときは、その都度、町年寄(町政を司った町役人の筆頭)への届出が必要でした。
    「嘉雲亭」ではその制度にちなみ、宿泊客にユニークな宿泊証明書(今井町中宿泊免許)を発行しています。

    宿泊証明書(今井町中宿泊免許)。宿泊者に1人1枚、名前入りで発行してくれます

    「時を忘れて過ごしてほしい」と、テレビや時計はあえて置いていません。
    一昔前までは宿泊することが禁じられていた今井町。
    貴重な江戸時代の商家で、昔の人々の暮らしに思いを馳せながら静かな一夜を過ごしてみませんか。

    嘉雲亭(かうんてい)

    住所
    橿原市今井町2-8-25
    電話
    0744-23-0016
    チェックイン
    15:00/チェックアウト10:00
    料金
    1泊6,500円~(サ込)
    web
    https://www.kauntei.com/

    ※最新情報は各所へお問い合わせください

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