きみごろも

「きみごろも」は、明治時代初めに生まれました。
卵の白身をしっかりと泡立てたメレンゲに砂糖やハチミツを入れて寒天で固め、黄身の衣で包んで焼いたものです。
頬張ると、驚くほど軽い食感!ふわふわなメレンゲはまるであわ雪のように繊細で、口の中ですーっと溶けていきます。

卵は奈良県産のものを使用。新鮮なものではないと白身がしっかりと泡立たないそうで、産んでから2~3日以内の卵のみを使っています。
重要なのは、卵白の泡立て方。他にはない繊細で軽いメレンゲに仕上げるには、機械の泡立て器では無理だと言います。
「機械だと2~3分で泡立ちますが、固くてボロボロした泡になってしまうので、30分近くかけて手だけで泡立てています」と3代目の堀井義之さん。
製法は一子相伝。創業当時から変わらない作り方で、100年以上この味を守っています。

朝5時30分から家族総出で作り始め、1日でできるのは500~600個。他の店舗に卸すことはほぼないため、遠方からこの希少な味を求めて、買いに来る人が多いそうです。

明治時代の創業時は、ハイカラな和菓子だったという「きみごろも」。
ここにしかない、甘くて優しい伝統の味をどうぞ。