塔の茶屋 とうのちゃや

「塔の茶屋」は、昭和38年(1963)に興福寺五重塔の近くで創業しましたが、興福寺の境内整備に伴い平成28年(2016)に現在の地に移転。
名物の茶がゆは、文字通り「お茶で炊いたおかゆ」のこと。
古くから僧侶の食事として寺院で食べられていたといい、いつしか庶民にも広がったそう。
茶がゆは一般的にほうじ茶で炊くことが多く、茶色のイメージですが、こちらの茶がゆは、きれいな若草色。
抹茶の原料となる碾茶(てんちゃ)を使用しています。

釜でお米を炊き、そこに碾茶を詰めた木綿の茶袋を入れて煮立てていきます。粘り気が出る前に火を止め、さらっと仕上げるのがコツ。
味付けは塩のみ。水分を含んでふわっとしたお米は噛むと甘みがあり、そこに碾茶の旨みとやさしい渋みが重なります。素朴であたたかく、気持ちまでほっこりする味わいです。
茶がゆ弁当には、お吸い物やとろとろっとした手作りのごま豆腐など、茶がゆに合うおかずが付きます。

黒の漆桶には、煮物やなます、おひたし、玉子のふくさ焼き、鶏のゴボウ巻きなど、12~13種類の彩り豊かな料理が盛られています。
たくさんの種類を少しずつ味わえるのが楽しく、茶がゆとの相性もとてもいいです。

「奈良の郷土料理でおもてなしをしたい」とお店を開いた創業者の想いを引き継ぐ「塔の茶屋」。
珍しい若草色の茶がゆは、50年以上経った今も観光客だけでなく、地元の人にも愛されています。
塔の茶屋(とうのちゃや)
- 住所
- 奈良市南城戸町18
- 電話
- 0742-22-4348
- 営業時間
- 11:30~15:30(売り切れ次第終了)、夜は予約制(懐石のみ)
- 定休日
- 火曜(祝日の場合は営業)
- web
- http://tounochaya.com/
※価格は全て税込みです
※最新情報は各所へお問い合わせください