奈良を巡る際に訪れたい!写真で奈良の情緒を感じられる場所

芸術・文化

奈良を巡る際に訪れたい!
写真で奈良の情緒を感じられる場所

新薬師寺や志賀直哉旧居など、歴史と文化が色濃く残る町、高畑に建つ写真美術館。
半世紀にわたって奈良・大和路の風物を撮り続けた写真家、入江泰吉(いりえたいきち)の作品を中心に展示しています。

    入江泰吉記念奈良市写真美術館 いりえたいきちきねんならししゃしんびじゅつかん

    建築家・黒川紀章が設計。周辺の風景に馴染むよう屋根を瓦葺きにし、展示室などは地下に置かれています

    入江泰吉は生前、8万点以上の作品と著作権をすべて奈良市に寄付。これを機に、1992年4月、西日本初の公立写真専門美術館として開館しました。

    入江泰吉は、明治38年(1905)生まれ。東大寺の旧境内で育ち、兄からカメラを譲り受けたのをきっかけに写真家の道へ。戦後、奈良の仏像がアメリカに接収されるという噂を聞き、貴重な文化財を写真に記録することを決意。東大寺の仏像から撮り始めました。後に噂はデマとわかりましたが、奈良の由緒ある寺を回って仏像や風景を撮影。その写真はやがて評価され、生涯をかけて奈良・大和路の仏像、風景、伝統行事、花などを撮り続けました。

    入江泰吉。1976年に写真集『古色大和路』『萬葉大和路』『花大和』の三部作で第24回菊池寛賞を受賞し、名を知られるようになりました(写真提供/入江泰吉記念奈良市写真美術館)

    なかでも風景写真は、入江泰吉の真骨頂。
    ただ美しいだけでなく、そこに古代から続く奈良の歴史や万葉人の思いを重ねて表現しています。
    納得のいく1枚を撮るために何度も同じ場所に通い、光や風を読み、自身が思い描く構図になるまでとことん待ち続けたといいます。

    館内の展示室では、奈良の情緒を写し取った入江泰吉の作品を常時鑑賞できます。

    展示室。入江泰吉の作品をはじめ、国内外の写真家による企画展が行われます

    そのほか、入江泰吉の作品をナレーション付きのハイビジョン映像で楽しめるハイビジョンギャラリーや、愛用のカメラを展示する記念室、ポストカードなどを販売するミュージアムショップがあります。

    入江作品をより深く知ることができるハイビジョンギャラリー
    記念室には入江泰吉が時代ごとに愛用したカメラが展示されています

    入江泰吉以外にも、国内外の貴重な写真集や写真関連書籍などが約4,000冊揃う資料閲覧室があり、自由に読むことができます。

    資料閲覧室。奈良に関する写真集や古美術書などもあります

    写真、映像、資料を通して入江泰吉の魅力を存分に堪能した後は、彼が愛した風景を探しに、奈良を巡ってみませんか。

    入江泰吉記念奈良市写真美術館
    (いりえたいきちきねんならししゃしんびじゅつかん)

    住所
    奈良市高畑町600-1
    電話
    0742-22-9811
    開館時間
    9:30~17:00(入館は16:30まで)
    休館日
    月曜(祝日の場合は最も近い平日)、祝日の翌日(祝日が平日の場合)、展示替え期間中(要問合わせ)、年末年始(12月27日~1月3日)
    アクセス
    近鉄奈良駅からバス約5分「破石町」下車、徒歩約12分
    web
    http://naracmp.jp/

    ※最新情報は各所へお問い合わせください。

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