飛鳥資料館 あすかしりょうかん

ロビーに入ると、男性に女性が手を添え、ハグしているかのような石人像がお出迎え。
古代のアートとも評すべき独創的な造形に、足を止め、じっと見入ってしまいます。

飛鳥地域の復原模型や航空写真も展示。
古代と現代を見比べながら、古代飛鳥の様子がイメージできるようになっています。

常設展示は、第1展示室と第2展示室。それぞれ展示内容に特徴があります。
第1展示室は、「仏教伝来と蘇我氏」「飛鳥の宮殿」「律令国家への歩み」「よみがえる飛鳥の工房」「飛鳥の古墳」「飛鳥の寺院」といった6つのコーナーで構成され、高松塚古墳の出土品をはじめ、飛鳥の宮跡や寺院などの関係資料がふんだんに展示されています。

蘇我氏、中大兄皇子(のちの天智天皇)、中臣鎌足(のちの藤原鎌足)、大化の改新あるいは乙巳の変…。
観覧していると、教科書で習ったワードが次々に登場し、懐かしい気持ちになるとともに、あらためて飛鳥は日本はじまりの地であることを実感します。

第2展示室は、飛鳥時代の大寺院・山田寺にスポットを当てた内容です。
山田寺跡から出土した東回廊が再現展示されているのですが、こちらはなんと、現存する世界最古の木造建造物である法隆寺よりもさらに50年ほど古く、7世紀半ばの貴重な例として重要文化財にも指定されています。

庭園には、飛鳥に点在する石造物のレプリカが勢ぞろいしています。
例えば「猿石」の場合、実際に猿石が置かれている現地では背面がよく見えませんが、こちらは背中の彫刻まではっきり確認できます。
ほかにも、須弥山石(しゅみせんせき)や石人像は実際に水が噴き出し、酒船石は当時使われていた様子が再現されるなど、「石と水の都」とも称される古代飛鳥の世界観を体感できます。

飛鳥観光の予習にも、散策した後の復習にも最適な飛鳥資料館。
一度行ったら、展示内容の濃さとポテンシャルの高さに感動するかも。
ゆっくり時間をかけて観覧するのがおすすめです。
飛鳥資料館
(あすかしりょうかん)
- 住所
- 高市郡明日香村奥山601
- 電話
- 0744-54-3561
- 開館時間
- 9:00~16:30(入館は16:00まで)
- 休館日
- 月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
- 入館料
- 350円
- アクセス
- 近鉄橿原神宮前駅からバス約10分、「明日香奥山・飛鳥資料館西」下車、徒歩約3分
- web
- https://www.nabunken.go.jp/asuka/
※最新情報は各所へお問い合わせください。