一見、民家と見間違えるほど町並みに馴染むTamaは、町内唯一のフレンチレストラン。今井町の町家の特徴である大きな庭を眺めながら、ゆったりと食事ができます。料理は昼夜ともにおまかせコースのみ。御所市の農家から仕入れる野菜、五條市のばあく豚や大塔町の鹿肉など、奈良の旬の食材を使い、フレンチの枠にとらわれないヘルシーな味わいに仕上げています。ワインはもちろん、シェフが料理に合わせて厳選した奈良の地酒ともマッチするので、マリアージュを楽しんでみて。
※要事前予約
- 住所
- 橿原市今井町4-5-14
- 電話
- 0744-24-8868
- 営業時間
- 12:00~15:00(LO13:30)、18:00~22:00(LO20:00)
- 定休日
- 水曜
一人客も入りやすく、気軽にそばが味わえるお店。毎朝主人が手打ちするのは、そば自体の旨みや甘みがある秋田県産のそば粉を使った二八そば。麺は細切りでほどよいコシがあり、のど越しのいいそばです。お昼限定の「今井膳」は、町の名前を冠する人気メニュー。もりそばまたはかけそばに、エビの天ぷらや季節の野菜の煮物、豆腐などのおかずとご飯が付きます。店主が厳選する奈良の地酒が数種類置いてあり、夜は旬の素材で作る一品料理とともに味わえます。
- 住所
- 橿原市今井町1-4-35
- 電話
- 0744-29-3807
- 営業時間
- 11:30~13:30、17:00~22:00 ※売切れ次第終了
- 定休日
- 月曜
橿原市出身の主人が地元を盛り上げたいと今井町に開いた日本料理店。日本料理の魅力をより多くの人に知ってもらうため、あえて敷居を下げてリーズナブルな価格に。お昼の懐石は2,700円からいただくことができ、その内容は先付、向付、八寸、蒸し物、焼魚、ご飯、赤だし、香の物、デザート、コーヒーが付く充実ぶり。ご飯は旬の素材を混ぜ込んだ土鍋ご飯で、秋はマツタケなどキノコご飯が登場。利き酒師の資格を持つ主人が選ぶ日本酒が常時10種類ほど揃うので、おすすめを聞いて一杯いただくのも◎。
- 住所
- 橿原市今井町4-2-14
- 電話
- 0744-33-9155
- 営業時間
- 11:30~14:30(LO13:00)、17:30~22:00(LO20:00)
- 定休日
- 要予約・不定休
今井町の北東端に建つ古民家カフェ。店の前には樹齢約420年の榎(えのき)の木が立っており、榎を英語で「チャイニーズハックベリー」ということにちなんで、店名が名づけられました。セルフリノベーションした店内は、建物の造形を生かして1階、中2階、屋根裏部屋風の2階があるなど、遊び心いっぱいの造りも魅力です。ランチで1番人気なのは、アボカドを丸ごと1つ使ったアボカド丼。鶏がらをベースに8時間煮込んで作る特製の照り焼きソースが味の決め手です。カフェタイムに味わえるドイツ風パンケーキ「ダッチベイビー」は、卵をふんだんに使ったこちらの名物。外はサクッふわっ、中はもっちりで、熱々のまま提供されます。
- 住所
- 橿原市今井町1-3-3
- 電話
- 0744-29-0080
- 営業時間
- 11:00~21:30(LO21:00)、金・土曜~22:30(LO22:00)
- 定休日
- 火曜
「奈良は修学旅行以来」という岡山県出身のオーナーが、今井町を訪れた際に町並みと町家を気に入り、この地でオープンすることに。SNS映えするスイーツが注目を集め、連日多くのお客さんで賑わっています。なかでも大人気の「クレームブリュレの季節のパフェ」は、旬のフルーツを使ったソルベやミルクプリン、バニラアイスなどを詰めてブリュレでフタをしてあり、見た目も可愛く味もおいしいと評判の一品。店内の壁一面には本棚が設置され、ブックカフェとしての顔も。本棚に向かって座る席もあり、一人でも入りやすい雰囲気なのも魅力です。
- 住所
- 橿原市今井町4-3-6
- 電話
- 0744-41-6645
- 営業時間
- 11:00~19:00(LO18:30)
- 定休日
- 不定休
町家の玄関付近に取り付けられている金属の環(わ)。
これは「駒つなぎ」といって、馬や牛をつなぐときに使うもの。大名貸や蔵元などに用事がある武士が、馬や牛を連れて訪れた際につないでおくためにあります。
環の受けが大きいほど身分が高い家とされ、最も大きいのは今西家住宅といわれています。
町家によっては2つ備えている場合があり、人間の膝くらいの高さに取り付けられているものが馬用、人間の胸くらいの高さに取り付けられているものが牛用なのだそう。1つだけある場合は、馬・牛兼用です。
駒つなぎは、町のシンボルマークにもなっていて、町角に建つ案内板やマンホールにも描かれています。
家々によって少しずつ意匠が違うので、町家の前を通るときはぜひチェックしてみてください。
奈良好きが高じて、新潟県から引っ越してきた夫婦が営む珈琲店。厳選した豆のみを焙煎所から仕入れ、注文が入ってから一杯ずつサイフォンで淹れるコーヒーがいただけます。カップは、ご主人が趣味で収集してきた70~80種類の中から好みのものを選ぶシステム。カップの大きさによって入れるコーヒーの量が変わらないよう、サイフォンのまま出してくれる心配りが嬉しいです。奥様が作る自家製のケーキも好評で、コーヒーに合うベイクドチーズケーキとシフォンケーキのほか、季節のスイーツも味わえます。
趣きのある古い長屋を改装した小さな雑貨店&カフェ。看板メニューは、吉野杉の升に入った「睦月ティラミス」。表面には、ココアパウダーで今井町のシンボルマーク「駒つなぎ(牛馬をつないだ環)」が描かれています。スプーンを入れるとビックリ。中は、奈良の特産・干し柿、抹茶水ようかん、自家製あんこ、チーズクリーム、コーヒーシロップを染み込ませたスポンジが層になっているんです。素材同士の相性が良く、あっさりとした甘さで、大人向けの和風ティラミスです。1日限定10食なので早めの来店を。
- 住所
- 橿原市今井町1-9-12
- 電話
- 0744-47-3717
- 営業時間
- 11:00~18:00(LO17:30) ※11~2月は~17:00
- 定休日
- 月~水曜
今井町が国の重要伝統的建造物群保存地区に指定された平成5年(1993)当時、町内に飲食店はほとんどありませんでしたが、観光客の増加に伴って平成10年(1998)にお店を開くことに。町内で最も古い飲食店です。営む古林家も歴史が長く、現当主は13代目。メニューは、そばと柿の葉ずしのセットなど食事ものや、ぜんざいやわらびもちなどの甘味があり、町歩きの休憩に最適です。かつて酒造りを行っていたときに仕込み水として使用していた井戸水が今も湧き、料理にも使っているそう。井戸水で淹れたコーヒーや抹茶はすっきりとした味わいです。
- 住所
- 橿原市今井町4-6-13
- 電話
- 0744-22-2135
- 営業時間
- 10:30~17:00 ※土日祝は~17:30
- 定休日
- 4・5・10・11月は月曜(祝日の場合は翌日)、それ以外の月は不定休
昔ながらの醤油造りを行う明治創業の醤油蔵。かつては何人もの職人を抱えていましたが、現在はご主人を中心に2人で伝統の味を守っています。醤油の味を決める大切な麹造りを春に行い、夏に発酵させ、秋に寝かし、冬に搾る、という作業を丁寧に行っていきます。看板商品の「夢ら咲(むらさき)」は、長期熟成した濃厚な醤油。大きな吉野杉の桶で1年かけて仕込んだ醤油に、さらに麹を足してもう1年仕込んだもの。色と味が一般の醤油よりも濃く、まろやかなコクと深みがあります。お造りや冷奴などにかける醤油としておすすめです。
- 住所
- 橿原市今井町3-2-34
- 電話
- 0744-22-2071
- 営業時間
- 9:00~17:00
- 定休日
- 不定休
地元の人の手土産にも愛用されているカステラの専門店。添加物は使用せず、厳選した鶏卵、グラニュー糖、小麦粉を使って手作りしています。ここに、水あめとハチミツを独自の割合でブレンドした特製の蜜を加えて焼き上げることで、重量感のあるしっとりとした生地に。噛むごとにじんわりと優しい甘みが広がります。また、最近では少なくなったザラメ入りなのも嬉しいポイント。底に敷かれたザラメが心地よいアクセントを与え、カステラのおいしさをぐっと引き立てています。コーヒーや紅茶だけでなく緑茶にも合う、素朴で優しい味わいです。
「サラダ感覚で食べてもらえる漬物」をテーマに、素材の良さを生かした浅漬けを販売する漬物専門店。使う野菜は、橿原市や明日香村など地元のものが中心です。常時15~20種類ほどの商品が並び、キュウリやナス、白菜などの定番ものから、春はタケノコ、夏はトウモロコシ、秋は柿など、変わりダネの商品も季節ごとにラインナップ。漬物造りに使う水は、ご主人の出身地であり、豊かな水源地として知られる奈良県川上村の水。みずみずしくて、シャキシャキ感がそのまま残る野菜の漬物をおみやげに。
- 住所
- 橿原市今井町2-7-22
- 電話
- 0744-22-5336
- 営業時間
- 10:00~17:00
- 定休日
- 火曜
今井町は井戸から湧く水が良質なことから、かつては町内に数軒の酒蔵があったそうですが、現在残るのは河合酒造のみ。江戸時代中期に創業し、「上品寺屋(じょうぼんじや)」の屋号で親しまれてきました。代表銘柄は、昭和の時代に、男性の夢やロマン、希望を込めて付けられたという「出世男」。縁起のいい名前のため、贈り物としても喜ばれています。なかでも本醸造は、ロングセラーの看板商品。少し辛口で、呑み口がいいお酒です。また、重要文化財に指定される主屋を見学することもできます。
環濠がめぐらされ、城塞都市だった今井町。町の出入口には、東側に3カ所、西側1カ所、南側3カ所、北側2カ所の計9つの門が置かれ、門と町の外をつなぐ木橋が渡されていました。
開門は、朝6時から夕方6時まで。夜間は指定された4門のみ利用できました。防衛の意味を込めて外部からの出入りを減らし、商人らの安全と財産を守るため、厳重なチェックをしたうえで出入りさせていたそうです。
門は取り壊されてしまいましたが、平成13年(2001)に南側にあった「旧南口門」が、濠とともに復元整備されました。お寺の山門のようなたたずまいで、往時の雰囲気が伝わってきます。それ以外の8つの門跡には、それぞれ地面に表示板が敷かれています。
今井町の町並み案内の拠点になっている「華甍」は、明治36年(1903)に高市郡教育博物館として建設された建物。昭和4年(1929)から30年間は今井町役場として利用されていました。中央に2階建の本館を配し、両側に左右対称の翼廊が広がります。館内は洋風階段や飾り窓などを備えた、明治モダンな雰囲気。今井町の歴史を紹介する資料や、町並みを再現したジオラマの展示室、映像シアター、図書閲覧室などがあり、散策の前に立ち寄っておくと、町歩きをより一層楽しむことができます。
- 住所
- 橿原市今井町2-3-5
- 電話
- 0744-24-8719
- 開館時間
- 9:00~17:00(入館は16:30まで)
- 休館日
- 年末年始
- 入館料
- 無料
今井町の伝統的な町家を見学できる施設。18世紀初期の建物を一度解体修理し、元の姿に復元しています。外から見ると1階建てに見えますが、2階に部屋がある「つし2階建切妻造」という構造形式。中は、東側に通り土間、北端に「しもみせ」(みせの間の補助的役目の部屋)があり、居住部分は、今井の町家の基本構造である「2列6室型」になっています。靴を脱いで部屋にあがれ、梯子階段を上って2階部分も見ることができるので、じっくりと内部見学が楽しめます。
- 住所
- 橿原市今井町3-1-22
- 電話
- 0744-22-1287
- 開館時間
- 9:00~17:00(12:00~13:00は閉館)
- 定休日
- 年末年始
- 入館料
- 無料
今井町には重要文化財に指定される住宅が8件あり、その中で唯一、住居として使用せずに一般公開しているのがこちら。18世紀中頃の建物で、江戸時代は「米忠」の屋号で金物商などを営んでいました。他家とは異なり、土間が広く、煙返しがあるなど農家風の造りが特徴的。居住部分も他より1室少ない5室で、装飾などはなく簡素な佇まいを見せています。主屋の奥の裏庭には、立派な蔵と、その前に数寄屋風の蔵前座敷があります。蔵前座敷とは蔵の扉の前にある部屋のことで、ご隠居が蔵の番を兼ねて暮らしていたそうです。
- 住所
- 橿原市今井町1-10-11
- 電話
- 0744-23-8297
- 開館時間
- 9:00~17:00(12:00~13:00は閉館)
- 休刊日
- 年末年始
- 入館料
- 無料
江戸時代は酒造業などを営んでいた高木家。8件の重要文化財指定の住宅の中では年代が新しく、19世紀初頭頃に建てられました。時代の変化とともに建築様式も変わり、特に2階部分は、他家が軒が低く虫籠窓があるのに対し、連子格子(れんじごうし)を施した本2階のある造りになっています。1階、2階ともに2列6室の部屋があり、1階奥には、当時武家にしか許されなかった書院造の部屋もあります。蔵に眠っていたという百人一首やすごろくなどの遊び道具、鏡台や行燈などの生活用具が展示されるなど、暮らしや文化についても学ぶことができます。
- 住所
- 橿原市今井町1-10-11
- 電話
- 0744-22-3380
- 開館時間
- 9:00~日没 ※要事前予約
- 休館日
- 不定休(見学可能時掛札有り)
- 見学料
- 300円
今西家は、古代豪族弟磯城(おとしき)の末裔で、今井町の惣年寄筆頭をつとめた名家。戦国時代、一向宗と結んで織田信長と戦った際、最後まで今井の町を守り抜いた功績が認められ、信長より自治権が与えられました。また大坂夏の陣の折にも今井町を無傷で守り、松平忠明から「今井の西を守った家」として「今西」の名を賜ります。裁判所の役割を担っていたことから、建物内部には裁きをしていたお白洲があり、今もその名残を見ることができます。「なんど」と呼ばれる当主の部屋は、土間から数え4段分も高く造られ、妻でも許可なく入室できなかったそう。なんどの前にある敷居「帳台構え」は、日本最古ともいわれています。
- 住所
- 橿原市今井町3-9-25
- 電話
- 0744-25-3388(公益財団法人 十市県主今西家保存会)
- 開館時間
- 10:00~17:00(12:00~13:00は閉館)※要事前予約
- 休館日
- 月曜(祝日の場合は翌平日)
- 見学料
- 400円
寺内町・今井として発展した町の中核的存在だった浄土真宗の寺院。室町時代末期に本願寺の一家衆、今井兵部卿豊寿(いまいひょうぶきょうとよじゅ)が道場を建てたことに始まり、文禄年間に称念寺として開基されたと伝わります。代々、子孫が住職をつとめ、今井姓を名乗ってきました。境内には、鐘楼、太鼓楼、客殿、庫裡などが建ち、江戸時代初頭に建立された本堂は、当時の浄土真宗本堂の様式を知るうえで貴重として、重要文化財に指定されています。明治10年(1877)2月には、神武天皇陵へ参拝された明治天皇の行在所となりました。※現在、本堂は修復中のため拝観不可
今井町初の町家民宿。豊富な財力を持っていた今井町では、治安を守るため外部からの侵入者を防ぎ、親戚以外の人を町内に泊めることを禁じていました。明治以降に廃止されますが宿泊施設がオープンすることはなく、平成19年(2007)に初めてできた宿が嘉雲亭です。18世紀半ばに建てられた呉服屋の旧家を改装し、当時の梁や柱、箱階段や呉服箪笥などの商い道具をそのまま残しています。町家見学だけでなく、宿泊することでより江戸時代の町家の魅力を実感できます。昔の習わしにちなみ、宿泊の証として宿泊証明書を発行するユニークなサービスも。